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法務局の「自筆証書遺言書保管制度」とは?
~公正証書遺言との違いと選び方~

2026/03/05

【はじめに】

近年、遺言に関する制度としてよく質問をいただくのが「法務局で遺言を預かってくれる制度があると聞いたのですが?」というものです。

これは正式には「自筆証書遺言書保管制度」と呼ばれる制度です。

自筆証書遺言の弱点を補うために2020年から始まった制度ですが、「公正証書遺言とどう違うのか」「どちらを選ぶべきか」で迷われる方も多くいらっしゃいます。

今回はこの制度の概要と、公正証書遺言との違いについて解説します。


【自筆証書遺言書保管制度とは】

自筆証書遺言書保管制度とは、自分で書いた遺言書を法務局で保管してもらう制度です。

遺言者本人が法務局へ行き、遺言書を提出することで保管されます。

この制度の大きな目的は、自筆証書遺言に多かった次のような問題を防ぐことです。

・遺言書が見つからない

・相続人が遺言書を隠してしまう

・改ざんされる

法務局が保管することで、こうしたリスクを減らすことができます。


【制度のメリット】

① 紛失や改ざんの防止

遺言書は法務局で保管されるため、紛失や隠匿のリスクが低くなります。

② 検認が不要

通常、自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」という手続きが必要ですが、法務局に保管された遺言は家庭裁判所の検認が不要になります。

③ 費用が比較的安い

保管手数料は3,900円程度とされており、費用面では利用しやすい制度です。


【ただし注意点もあります】

この制度には誤解されやすい点があります。

それは、法務局に保管されているからといって、遺言内容そのものが適切であることまで保証されるわけではないという点です。

例えば、遺言の内容によっては相続の場面でトラブルになる可能性が残ることもあります。


【公正証書遺言との違い】

公正証書遺言は、公証人が遺言内容を確認し、法律に基づいて作成する遺言です。

特徴は次のとおりです。

・公証人が内容を確認する

・法律的に確実な形式で作成される

・原本が公証役場で保管される

・検認が不要

つまり、内容と形式の両方がチェックされるという点が大きな特徴です。


【両者の違いを整理すると】

自筆証書遺言書保管制度

・自分で遺言を書く

・法務局が保管する

公正証書遺言

・公証人が作成する

・法律的に整った遺言になる

・原本が確実に保管される

大きな違いは内容の安全性です。


【当事務所の考え方】

当事務所では、遺言のご相談を受けた場合、基本的には公正証書遺言をおすすめしています。

理由は、遺言は「書くこと」ではなく「確実に実現されること」が重要だからです。

相続実務の現場では、内容が曖昧な遺言や相続人の争いを招く遺言を数多く見てきました。

そのため、内容のチェックがされ、確実に保管され、実務上のトラブルが少ないという点から、公正証書遺言をおすすめすることが多くなっています。


【まとめ】

法務局の自筆証書遺言書保管制度は、自筆証書遺言の紛失リスクを減らすという意味では有効な制度です。

しかし遺言内容そのものの適切さまでは保証されない点には注意が必要です。

遺言は、ご自身の想いを実現するための大切な準備です。

将来ご家族が困らないようにするためにも、遺言を検討される際は専門家へ相談されることをおすすめします。

当事務所では、遺言作成のご相談も承っております。どうぞお気軽にご相談ください。

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