会社法施行前、株式会社の役員の任期は取締役2年、監査役4年と定められていました。会社法施行後は、原則は取締役2年、監査役4年ですが、定款で定めることで10年まで伸ばすことができるようになりました。
以前は役員の変更がほとんどない会社でも2年ごとに必ず再任の登記を行う必要がありましたが、任期を伸ばす事でこの負担を軽減する事ができます。
この任期変更は株主総会で定款変更の決議を行えば効力が発生し、法務局への登記申請は必要ありません。株主総会議事録を作成するのみで、登録免許税などの実費をかけることなく任期を伸ばすことができます。
但し、任期を伸ばすためには、「株式の譲渡制限に関する規定」があることが条件なので、「株式の譲渡制限に関する規定」がない会社が任期を伸ばす変更の決議を行っても効力は発生しません。
「株式の譲渡制限に関する規定」がない会社が任期を伸ばしたい場合は、まずはこの規定を置く変更を行う必要があります。但し、この変更は登記する必要があり、登録免許税がかかります。
任期を伸ばせば変更に伴う負担は軽減されますが、長期に渡るため任期が来た事に気付かず、登記を忘れてしまうおそれがありますのでご注意ください。(登記を忘れていた場合、過料がかかることがあります。)