新しい事業を始める際、経営者の方からよくいただくご相談があります。
「今の会社で事業目的を追加すればよいのか、それとも別会社を作るべきか?」
どちらが正解というものではありません。事業の性質・リスク・将来の展開、そして誰がその事業を担うのかによって最適解は変わります。
本記事では、実務の現場で重視されるポイントを整理しながら解説します。
【既存会社で「目的変更」をする場合】
会社の事業目的は登記事項です。新しい事業を行う場合、多くは株主総会の特別決議を行い、目的変更登記を申請することで対応できます。
■メリット
・設立コストがかからない(目的変更は通常3万円)
・既存基盤を活用でき、すぐに事業を開始できる
・実績による信用力を引き継げる
■デメリット
・事業リスクが会社全体に及ぶ
・会計・人事・契約など管理が複雑になりやすい
・将来の売却や事業分離が難しい
【新会社を設立する場合】
新規事業専用の法人を立ち上げる方法です。
■メリット
・リスクを切り分けられる(最大のメリット)
・事業ごとの採算が明確になり経営判断がしやすい
・株式譲渡が可能となり出口戦略の幅が広がる
■デメリット
・設立コストと手間がかかる
・会計・税務・社会保険など管理コストが増える
・信用はゼロからのスタート
【見落とされがちな重要視点:誰が新規事業の責任者になるのか?】
■代表者自身が責任者になる場合
メリット:意思決定が速い/一体運営がしやすい/信用を活用できる
デメリット:代表者に負担が集中/本業への影響/撤退判断が遅れやすい
→ この場合、リスク管理の観点から別会社にする方が合理的なケースもあります。
■別の人材が責任者になる場合
メリット:権限と責任が明確/次世代経営者の育成/成果評価がしやすい
デメリット:ガバナンス設計が重要/グループ管理の視点が必要
→ 新会社設立の方が組織設計として合理的なことが多いでしょう。
【実務的な判断基準】
・リスクが高い → 新会社設立
・既存事業との関連性が強い → 目的変更
・誰に任せるか明確にしたい → 新会社設立
「誰に任せるのか」=「どの法人で行うべきか」と言っても過言ではありません。
【まとめ】
手軽さを取るなら目的変更、リスク管理を重視するなら新会社設立が一つの目安です。
もっとも、許認可の要否、資本構成、税務戦略なども関係するため事前整理が極めて重要です。
新規事業のスタートは会社の将来を左右する重要な意思決定です。
迷われた際はぜひ専門家にご相談ください。
当事務所では、司法書士・行政書士双方の視点から、登記だけでなく許認可も含めた最適なスキームをご提案しています。
お気軽にご相談ください!初回相談・見積は何度でも無料です。
土日夜間も対応致しますので、お気軽にご相談下さい。
TEL 075-354-3740