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コラム

株式会社設立・相続などの登記や建設業許可・産業廃棄物収集運搬業・古物商などの許認可に関するお役立ち知識をご紹介します。


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相続・遺言
2026/09/08

相続手続きでは、税理士(相続税申告)、弁護士(遺産分割・紛争調整)、司法書士(相続登記・名義変更)など、複数の専門家が同時に手続きを進めるケースが少なくありません。

 

各分野の専門家に個別に依頼するだけでは、依頼者自身が「専門家同士の伝言係」になってしまい、書類の二重取得や期限遅れなどのトラブルにつながる恐れがあります。スムーズな相続の実現には、「専門家同士が直接情報を共有し、連携して全体スケジュールを管理すること」が重要です。

 

相続手続きに関わる主な専門家と役割

相続手続きの内容に応じて、関与する専門職と担当分野が分かれます。

 

税理士の役割

 

主な業務:相続税の試算、申告書の作成・提出、節税対策

 

連携のポイント:相続開始から10か月という申告期限の厳守や、遺産分割内容が税金に与える影響の事前確認

 

弁護士の役割

 

主な業務:遺産分割協議の代理交渉、相続人間のトラブル・紛争の解決

 

連携のポイント:協議成立の時期や見通しを共有し、税務申告期限とのバランスを調整

 

司法書士の役割

 

主な業務:不動産の相続登記(名義変更)、戸籍収集、法定相続情報一覧図の作成

 

連携のポイント:手続きに必要な戸籍など原本書類の一括取得・管理と、登記申請のタイミング調整

 

専門家同士の連携が不可欠となる「3つの調整ポイント」

1. 手続き全体の「期限」とスケジュールの調整

相続税の申告・納付は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内と定められています。

 

遺産分割がまとまる場合: 10か月の期限内に分割を成立させ、特例を適用して申告できるよう工程を合わせます。

 

紛争や調整が長引く場合: 無理に10か月に間に合わせるのではなく、弁護士と税理士が協議の上、「未分割申告(後日修正)」を前提とした法的手続きを進めます。

 

2. 「戸籍謄本」など必要書類の取得重複・費用削減

相続関係を証明する戸籍謄本一式は、税理士・弁護士・司法書士の全員が必要とします。

 

専門家ごとに個別取得すると、発行手数料や手間が二重・三重にかかります。

 

司法書士が中心となって「法定相続情報一覧図」の作成・活用を行うなど、原本を誰がいつ管理するか事前に調整することで、依頼者の金銭的・時間的コストを最小限に抑えられます。

 

3. 「遺産分割協議書」の原本管理と利用順序の整理

完成した遺産分割協議書(原本)は、税務申告・不動産登記・金融機関の口座解約など、複数の窓口で提示が求められます。

 

「どの機関に原本が必要で、どこが写し(コピー)で足りるか」を把握します。

 

窓口に出す順番(例:税務申告を先にするか、不動産登記を先にするか)を専門家間で直接擦り合わせることで、手続きの停滞を防ぎます。

 

谷口事務所が専門家連携の「橋渡し役」となる理由

相続手続きを進めるにあたり、当事務所(谷口事務所)が税理士・弁護士・司法書士などの専門家同士をつなぐ「橋渡し役(ハブ)」を担うケースが多くあります。

 

相続の初期段階で戸籍調査や財産調査(不動産や預貯金の確認)を行う場面では、相続関係や財産の全体像を早期に把握しやすいためです。

 

窓口の一本化: 依頼者がそれぞれの専門家に同じ説明を繰り返す手間を省きます。

 

書類の一括管理: 戸籍一式や遺産分割協議書の原本をスムーズに共有・受け渡しできるよう手配します。

 

状況に応じた専門家の紹介・連携: 税務申告が必要なら税理士へ、紛争化の恐れがあるなら弁護士へと、適切なタイミングで速やかに連携します。

 

依頼者が専門家同士の「連絡係」にならない進め方

個別に専門家へ依頼した場合、「税理士に何を伝えればよいか」「登記ができる状態か」といった専門的な実務判断を依頼者本人が仲介せざるを得なくなります。

 

専門家同士が直接コミュニケーションを取り、当事務所が間に入って調整を行うことで、以下のようなメリットが生まれます。

 

手続きの重複防止: 書類取得や確認作業の無駄を排除

 

負担の軽減: 依頼者が書類の受け渡しや進捗確認の窓口にならずに済む

 

期限管理の徹底: 各手続きの連動を意識した無理のない全体計画の策定

 

相続手続きにおいては、「誰に頼むか」だけでなく、「専門家同士がどのように連携して進めるか」が円滑な完了を左右します。

相続・遺言
2026/09/03

相続登記が終わった後、ご依頼者からよく聞かれることがあります。

「家に昔の権利証がたくさんあるのですが、これは全部残しておいた方がいいのでしょうか?」

 

相続をきっかけに書類を整理していると、おじいさんの時代の権利証、お父さんの権利証、さらに最近の登記識別情報など、何が必要なのか分からない書類が何冊も出てくることがあります。

 

結論からいうと、現在の権利に関係するものと、すでに権利証としての役割を終えているものがあります。しかし、「権利証としての役割を終えているからといって、すぐに捨ててよいわけではない」という点には注意が必要です。

 

谷口事務所では、相続登記をして新しい書類をお渡しするだけではなく、以前の権利証についても中身を確認し、今後残しておくべきものと、権利証としては残しておく必要のないものを整理してご説明しています。

 

権利証は一度作られたら、ずっと必要なわけではありません

 

いわゆる「権利証」は、その不動産について登記をした人が、将来その不動産を売却したり贈与したりする際などに重要になる書類です。

しかし、不動産の所有者が変われば、以前の所有者の権利証が、現在の所有者の権利証としてそのまま使われるわけではありません。

 

分かりやすく、次のようなケースを考えてみましょう。

もともと、おじいさんが土地と建物を所有していました。その後、おじいさんが亡くなり、お父さんが相続しました。さらに、お父さんが新たに別の不動産を購入し、その一部を依頼者である子どもに生前贈与しました。

そして今回、お父さんが亡くなり、残っていた不動産について相続登記をすることになったとします。

 

この場合、ご自宅から、

① おじいさんが不動産を取得したときの権利証

② お父さんが不動産を購入したときの権利証

③ お父さんから依頼者へ生前贈与したときの権利証

などが出てくることがあります。

 

現在の権利関係を確認すると、それぞれの意味合いは異なります。

おじいさんはすでに所有者ではありませんので、①のおじいさんの権利証は、現在の所有権について使用する権利証ではありません。

また、今回、お父さん名義の不動産についても、現在の所有権について使用する権利証ではありません。

一方、③のお父さんから依頼者へすでに生前贈与され、現在も依頼者が所有している不動産についての権利証は違います。これは依頼者が現在所有している不動産に関係するものですから、今後も大切に保管しておく必要があります。

 

「権利証としての役割が終わった=捨ててよい」ではありません

 

ここで注意していただきたいのは、権利証が必要かどうかは、「古いか新しいか」や「現在の権利証かどうか」だけでは判断できないということです。

昔の権利証でも、以下のような理由から絶対に保管しておいた方がよいケースがあります。

 

1. 将来の売却時の「税金対策」になることがある

古い権利証の厚紙の中には、当時の「売買契約書」や「領収書」が一緒に綴じ込まれていることがよくあります。将来、相続した不動産を売却する際、当時の購入代金が分からないと、売却価格の5%しか経費(取得費)として認められず、多額の譲渡所得税がかかってしまうリスクがあります。昔の購入額を証明する重要な資料として、古い権利証一式が役立つことがあるのです。

 

2. 相続登記の「漏れ」を防ぐ手がかりになる

市町村から毎年届く固定資産税の納税通知書には、非課税である「私道(公衆用道路)」が記載されていないことが多くあります。昔の権利証に記載されている物件目録を確認することで、今回の相続登記で名義変更から漏れている不動産がないかを照合できる重要な手がかりになります。

 

3. 将来の登記手続きで「身分証明」の代わりになることがある

相続や将来の売買において、役所の住民票の除票や戸籍の附票が保存期間の経過により廃棄されてしまい、過去の住所から現在の住所へのつながりを公的書類で証明できないケースがあります。このような場合、法務局での手続きにおいて、古い権利証の原本を提示することで、名義人の同一性を証明する助けになる実務上の取り扱いがあります。

 

そのため、一見重要そうに見えなくても、内容を確認せずに自己判断で処分することは絶対におすすめしません。

 

谷口事務所では相続後の「書類の整理」まで大切にしています

 

相続登記が終われば、司法書士としての登記手続きは完了します。

しかし、ご依頼者からすると、その後に手元に残った書類について、

「これは何の書類なのか」

「どれを大切に保管すればいいのか」

「昔の権利証はまだ必要なのか」

という疑問が残ります。

 

谷口事務所では、相続登記をして新しい登記識別情報などをお渡しするだけではなく、お預かりした以前の権利証についても確認し、現在の権利関係や将来のリスクに照らして整理することを大切にしています。

 

必要な権利証や保管しておくべき書類については、

「これは今後も大切に保管してください」

とご説明します。

一方、完全に役割を終えたものについては、その理由とともにきちんとご説明します。

 

相続手続きは「登記が終われば終わり」ではありません

 

相続登記の目的は、法務局へ登記申請をして名義を変更することだけではないと当事務所では考えています。

相続が終わった後、ご依頼者が、「これから何を大切に保管しておけばよいのか」まで分かる状態にしておくことも大切です。

 

何十年分もの権利証を抱えたまま、次の世代が再び「どれが必要なのだろう」と悩む状態を残さないことにも意味があります。

 

まとめ

相続をすると、昔の権利証がたくさん出てくることがあります。

しかし、そのすべてが現在も権利証として使われるわけではありません。

例えば、

 

おじいさんが所有していた時代の権利証 → 現在の権利証としては不要

 

お父さんが所有していた不動産を今回相続した場合のお父さんの権利証 → 相続登記後は現在の権利証としては不要

 

お父さんから依頼者へ以前に生前贈与され、現在も依頼者が所有している不動産の権利証 → 今後も必要

 

という違いがあります。

ただし、「現在の権利証としては不要」であっても、税金対策や私道持分の確認、将来の手続きのために保管しておくべきケースが多々あります。実際に処分してよいかどうかは、個々の不動産や登記の内容、綴じ込まれている書類を確認して判断する必要があります。

 

当事務所では、相続登記そのものだけではなく、相続後にどの書類を残しておくべきなのかまで確認し、ご依頼者に分かるようにご説明することを大切にしています。

相続は、名義を変更して終わりではありません。次の世代に分かりやすい状態で財産と書類を引き継ぐところまで考える。それも、当事務所が大切にしている相続手続きの一つです。

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